かつて読みたかった若書きエッセイ集『花の命はノー・フューチャー』

ブレイディみかこの若書きエッセイを読んだ。

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この本が最初に出版されたのは2005年のようである。

かつて、書評ブログか何かで見つけたこの『花の命はノー・フューチャー』を読んでみたくて古本屋を探しまわった、ような記憶がある。書評ブログではなく、作家の、それも小説家のWeb日記だったかもしれない。当時の私はこの本を読んでみたかったが、入手することができなかった。


ブレイディみかこ氏は最近『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で数々の賞を受賞し、再び(?)脚光を浴びている。新潮社の特設ページに書かれている高橋源一郎氏の言葉を引用すると、

思わず考え込む。あるいは、胸をうたれる。そして、最後に、自分たちの子どもや社会について考えざるをえなくなる。

作品であるはずなのだが、同じページに書かれている著者ブレイディみかこ氏の言葉は、


みなさんお忙しい中、わざわざ私のような不届き者の酒飲みババアの駄文について時間を割いて書いてくださっていて、いやちょっと泣きそうになっています(←けっして酔っているからではない)。

という書き出しになっていて、ああそうだった、こういう感じの無頼で謙虚で儚げでやや知的で何か人生について考えさせられることが書いてあるであろう本が読みたかったのだ当時の私は、という感覚が思い起こさせられる。


花の命はノー・フューチャー


で、そんなブレイディみかこ氏の『花の命はノー・フューチャー』がいつの間にかちくま文庫からDELUXE EDITIONになって出版されていた。

本屋で偶然見かけたときは、何となくどこかで聞いたこと見たことがあるタイトルだ、と一瞬思ったものの、10年以上前に探していた本だったことをすぐ思い出し、その場で購入した。


10年以上も経つとさすがに人間変わるもので、文章の好みも変わり、今現在ノー・フューチャーなエッセイが凄く好きかと問われると、大好きという感じではないものの、結構好きであるという感想である。それでも、たとえば「物凄く暗い気持ちになったら」というエッセイのタイトルはなかなか素敵だし、その書き出しも、

物凄く暗い気持ちになったら、私は飲む。飲むとどうなるかと言うと、余計に暗い気持ちになってきたりする。

といった調子で、冷静と暗鬱のあいまが覗き見られるような、それでいて前向きさが混在しているような文章は結構好きです。



今日のおまけ


ブレイディみかこ氏のインタビュー

ダ・ヴィンチニュース「今度は「おっさん」が主人公! 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこさんに聞く、最新作からコロナ、音楽の話」



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