CATEGORIES

ARCHIVES

世界最大級の資産運用会社であるバンガードは、日本拠点での営業活動を段階的に終了することを発表した。

バンガード社はウェブサイト、Twitter、ニュースレターについても、今後数か月間をかけて、段階的に閉鎖していく。また、日本だけではなく、香港からも撤退することが決定しています。


日本から撤退する理由


撤退理由は「アジア事業の見直し」とのことで、中国本土市場へ経営資源を振り向けるためとみられています。コンサルティングファームのOliver Wymanによると、中国本土の資産運用市場は2023年までに資産規模30兆ドルに達する見込みだそうです。

バンガードは、中国本土においてはアリババ傘下のアント・フィナンシャルと組んで事業を行っています。


バンガード日本語サイトの読み物


日本語Webサイトも閉鎖されるようですね。バンガード社のWebサイトは勉強になる読み物が沢山あるので、物読みとしては非常に残念ですねー。

「バンガードの4つの基本原則」(PDFリンク)はバランスの良い投資をしたいと思っている人は(見習うかどうかはともかく)一読し、考え方は学んでおくと良いと思いますし、これ以外のコラムもなかなか面白いものが多いです。


たとえば、昨今にわかに流行しつつあるFIRE(経済的自立&早期退職)の議論の中に時折現れる4%ルールについては、「4%予算とは:退職後は資産の引き出し率より支出の柔軟性が重要です」の記事に詳しいです。ちなみに4%ルールとは、資産を積み上げて引退した人が、引退後に資産をどれくらい引き出す、つまり取り崩せば良いか、という問題に応えるものです。バンガードの記事では、1994年のウィリアム・ベンゲン氏の論文へのリンクとともに、4%ルールに関する議論が詳細になされています。


そのほか、最近の記事だと「ニュースの正しい読み方(と間違った読み方)」、「“自分をコントロールする”ための6つの対処法」等は資産運用に興味がない人にも為になる良い記事と思います。


暗号資産(仮想通貨)の税金に関する要望書を読みました。


一般社団法人「日本日本暗号資産取引業協会」(JVCEA)がビットコイン等の暗号資産に関する税制に対する要望書「2021年度税制改正に関する要望書」を、2020年7月31日に公開しました


この記事が公開される2020年8月21日現在、いわゆる仮想通貨取引によって生じた利益は原則として「雑所得」に区分されます。国税庁の情報を確認したい方はこちらをどうぞ。所得税の税率はこっち


さて、要望書によると、暗号資産制度は今般の改正法により、

  1. 暗号資産について「資産としてトレーディングがなされることを前提とした決済手段」としての位置づけを明確化したこと。

  2. 暗号資産市場をより効率的なものとすることにより、決済性手段としての価格安定を図るために、暗号資産デリバティブを通貨デリバティブに準じたものとして位置づけることとしたこと。

といった変更がみられ、

  1. 暗号資産決済の普及の障害として少額決済においても課税の問題が生じることが挙げられていることから、暗号資産の「決済手段」としての法的地位を確立させるためには、暗号資産の少額の取引につき非課税扱いとする制度が必要である。

  2. 暗号資産デリバティブ取引を金商法において通貨デリバティブ取引に準じたものとして位置づけ、デリバティブ市場を通じた価格安定を期することで決済手段としての安定性を確保することとした以上は、税制においても、通貨デリバティブ取引と同等の取扱いを指向していく必要がある。

の2点の変更が必要と主張しています。

これらを踏まえて、以下3点を要望の骨子として主張しています。

  1. 暗号資産のデリバティブ取引について、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、デリバティブ取引に係る所得金額から繰越控除ができることを要望する。

  2. 暗号資産取引にかかる利益への課税方法は、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができることとする。

  3. 暗号資産取引にかかる利益年間20万円内の少額非課税制度を導入する。


3について。決済手段としてモノ、サービス購入時に暗号資産を用いた場合、その時点での含み益が実現したものと扱われ、課税対象になり負担があることに対する提案、のようです。


いずれの要望にしても、ビットコイン等の暗号資産(仮想通貨)の取引をしている人にとっては是非実現してほしい内容と思います。


ブレイディみかこの若書きエッセイを読んだ。

Photo by Nine Köpfer on Unsplash


この本が最初に出版されたのは2005年のようである。

かつて、書評ブログか何かで見つけたこの『花の命はノー・フューチャー』を読んでみたくて古本屋を探しまわった、ような記憶がある。書評ブログではなく、作家の、それも小説家のWeb日記だったかもしれない。当時の私はこの本を読んでみたかったが、入手することができなかった。


ブレイディみかこ氏は最近『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で数々の賞を受賞し、再び(?)脚光を浴びている。新潮社の特設ページに書かれている高橋源一郎氏の言葉を引用すると、

思わず考え込む。あるいは、胸をうたれる。そして、最後に、自分たちの子どもや社会について考えざるをえなくなる。

作品であるはずなのだが、同じページに書かれている著者ブレイディみかこ氏の言葉は、


みなさんお忙しい中、わざわざ私のような不届き者の酒飲みババアの駄文について時間を割いて書いてくださっていて、いやちょっと泣きそうになっています(←けっして酔っているからではない)。

という書き出しになっていて、ああそうだった、こういう感じの無頼で謙虚で儚げでやや知的で何か人生について考えさせられることが書いてあるであろう本が読みたかったのだ当時の私は、という感覚が思い起こさせられる。


花の命はノー・フューチャー


で、そんなブレイディみかこ氏の『花の命はノー・フューチャー』がいつの間にかちくま文庫からDELUXE EDITIONになって出版されていた。

本屋で偶然見かけたときは、何となくどこかで聞いたこと見たことがあるタイトルだ、と一瞬思ったものの、10年以上前に探していた本だったことをすぐ思い出し、その場で購入した。


10年以上も経つとさすがに人間変わるもので、文章の好みも変わり、今現在ノー・フューチャーなエッセイが凄く好きかと問われると、大好きという感じではないものの、結構好きであるという感想である。それでも、たとえば「物凄く暗い気持ちになったら」というエッセイのタイトルはなかなか素敵だし、その書き出しも、

物凄く暗い気持ちになったら、私は飲む。飲むとどうなるかと言うと、余計に暗い気持ちになってきたりする。

といった調子で、冷静と暗鬱のあいまが覗き見られるような、それでいて前向きさが混在しているような文章は結構好きです。



今日のおまけ


ブレイディみかこ氏のインタビュー

ダ・ヴィンチニュース「今度は「おっさん」が主人公! 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこさんに聞く、最新作からコロナ、音楽の話」



 
 
 

©2020 by PAPERWORK